都会派サスペンス、という分野の本らしいです。タイトルどおりギャング達が主人公であり、銀行強盗が舞台となってます。
初めはミステリー的なものを期待していたので、大したどんでん返しはない本書はそういう意味では期待はずれでした。この本の魅力は、銀行強盗という行動を温かく支える周りの人間達と、楽しくかつ美しく犯罪を犯す主人公達、という異様な光景をコメディカルに眺められる、という点でしょうか。引き込まれる本、というわけではないですが飽きずに読んでしまう本、という感じでした。
特に愉快なのは、自分達の行動は社会に良い事をしているという想いを持っている、いわゆる確信犯が主人公達だということです。彼らの理論では銀行強盗は善で、作中で敵として出てくる現金輸送車強奪犯は信じがたい悪だととらえています。一見すると馬鹿な話ですが、伊坂ワールドに居るとそうなのかな、という気にされてしまうのが妙なところです。そのあたりが読んでいて楽しかったです。
さて、作者の意図は何だろう??
・・・特に思想があったわけでもなく楽しい小説が書きたかったのかな、というのが感想です。犯罪者っていうのは、意外に愉快でしかも正義感や友情など人間味にあふれているのかもしれないな、と思ったのかもしれないですね。
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