かつて話題になっていたので、一度見たいと思っていた作品。「納棺士」という職業に就くことになった主人公やその周りの人間達の人間模様が描かれている作品です。死が絡むので重い映画なのだろうと予想していたのですが、「重い」というより「美しい」というほうが適切に感じる映画でした。
自分の周りの友達が遺体を扱う職業に就く、と言ったら反対する人は多いと思います。劇中でもそのような葛藤、衝突が描かれますが、ラストにはその美しさを皆が認めてくれて理解を深めていくのです。何を美しいというのかと言えば、「死した者に永遠の美を与えて納棺することで、生きた証を刻み込んでいく」ことでしょうか。そうすることで、生きている者、死した者それぞれにメッセージを伝えているのだろうな、というのが画面からひしひしと感じられます。
劇中での軽い会話を紹介すると、(うる覚えですが)
「生き物は生き物を食べて生きている。だが生きている限りは、食うなら旨いものが良い、楽しいほうが良い。死にたいなんて考えなければ辛い事なんてないんだ。」
「はい。・・・今食べているチキンは美味しいですか?」
「ああ。困ったことにな。」
死者は思いやるべきであるのだが、そのために自らをいじめることはない。生きている者は他者を殺してでも生きていこうとするものだし、そうすべきなのだ。それは自分勝手なのではなく、生きるとはそういうことだ。
と、言いたいのかなと思います。困ったことに、それが真実なのでしょう。死生観など今までの人生でほぼ考えたことのないことですが、強いメッセージが若干コメディーを交えて発せられるので、心に入りやすかったです。見てない方には是非見て欲しい内容です。
おお、おれも去年映画で見たよ。「困ったことに、、、」の件(くだり)はおれも好き。
返信削除これからも書きまくってちょうだい。
「ば」より