世の中で盛んに騒がれている環境問題解決の最終目標である、地球持続に関する本。作者は東大の元総長で、さすが教育のトップに立っていただけあって考え方のバランスが取れている上に、説得力がありわかりやすい内容です。抽象的な目標ではなく、具体的な数値が頻繁に出てくるので環境問題の概要が真に掴めます。
内容は地球持続のために何をすればよいかということですが、下記の疑問を持つ人は多いのじゃないでしょうか。
エネルギー問題って何?エネルギー保存則で言えばなくなるはずはないのだけども。。
リサイクルは本当にエコか?作るよりもエネルギーを消費するのではないか?
「地球が持続できない」ってそもそも地球がどういう方向に向かうこと?
「エコ技術」は完璧に極めたとしてどこまでのことが可能なのか?
等々。テレビなどでは「エコカー、エコバックは良い」「リサイクルは良い」「割り箸は悪い」などしか言ってくれませんが、科学(技術)的に環境に向き合ってくれるのがこの本で、上記の質問にも答えてくれます。エネルギー生産からエネルギー消費、材料発掘から商品破棄までの流れを数値化し、考えうる技術で可能な数値も掲げます。そこから、今の生活水準を落とさないor上げるという前提の下で何をすべきか、を唱えてくれるのです。
環境問題に真に興味がある、何とかしたいという人は、テレビで言ってることを復唱して無茶なことを押し付けるのではなく、この本でしっかり本質を見極めることをお勧めします。
また環境問題を考えるなら、上の「偽善エコロジー」(武田邦彦)もお勧めです。これは要約すればテレビなどで言ってることは金儲けのためであって環境問題とは一切関係がない、とのことです。かなり過激で、小宮山宏さんと違い若干無茶な論理を振り回しますが、マスコミの発言を鵜呑みに信じるのが非常に危険だということを論理的に理解させてくれる内容となっています。「真の環境問題」を考えるきっかけには悪くない本です。
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