巷で少し話題の本なので読んでみました。内容はかなり軽いので3時間ほどで読めました。
著者は26歳にして将棋界史上初の7冠を成し遂げた天才・羽生善治。将棋を指したことある人の中では間違いなく将棋界で最も有名な人です。
ただ本の骨格部分は正直あまり面白くないです。。経験からくる不安や恐れに捉われずに、直感や閃きで勝負したほうがよいとか、迷ったときに決断をする際の吹っ切り方などが書いてあるのですが、まあそれはそうだろう、という事しか書いてなかったのが残念でした。
たまに話が横道にそれて、例えば「人工頭脳と棋士との対戦」の話が出てきたりしますが、個人的には将棋が好きだったので面白いトピックでしたが、将棋を知らない人にはどうなんだろうという疑問も。。
個人的に一番面白いと感じたのは、作品からにじみ出てくる著者の性格を感じ取れたことです。将棋を昔やっていたことも影響していますが、歴史上アインシュタインの次くらいに天才なのではないかと思う人なので、どんな人なのかは興味がありました。
そこで本から感じたのは、羽生はかなり人生を楽しもうとする人間だということです。いずれ人工頭脳に棋士が負ける時をワクワクし、敗戦を学べる機会と捉え、指し方はとにかく新しい局面を求める。想像していた「勝負に徹する人間」とは何か違う匂いを感じられたことが新鮮でした。
将棋に興味があるか、決断力がよほどない人くらいにしかお勧めはできないかもしれません。
この本、中身忘れてしまったが読んだことあるわ。併せて読んだのが谷川浩司のこれまた「集中力」という本。今アマゾンで調べたら結構昔から出ている本みたいね。書き立てほやほやの本を読んでいたつもりだったのだけど、去年「~力」の類の言葉が流行ったからそのノリで平積みコーナーに戻ってきただけだったのかしら。こちらも著者の人格を垣間見ることの出来ることのできる本でなかなか面白かった。
返信削除気になるのは菊月さんも感想で書いている「直感を信じる方が良い」あるいは「直感が最善である場合が多い」という事実、もちろん練習に練習を重ねた上での直感だろうけど理詰めの極地のような将棋においてもそのようなことが働くというのは不思議ですわ。
b